言葉で思考しつつ、言葉を身体化しつつ

 平岡塾は中高生が集う英語単科塾です。創立者は1922年に大阪に生まれ、英語教育で誉れ高い神戸女学院に学びました。宣教師の先生から英語の手ほどきをうけ、後年、わが子にも本物の英語を授けたいとの思いから平岡塾は生まれました。1965年の創立以来、国際社会で立派に通用し、生涯にわたって自ら伸ばしてゆける本物の英語力、「一生モノの英語力」を求めて、たくさんの子供たちが集ってまいりました。

 「一生モノの英語力」を謳う私どもはまず、「日本語」の大切さを訴えます。どのような世界で何をして生きるにしても、私たちは「思考する」ことをやめることはできません。そして、この思考するという人間の根源的な営みを支えているのが母語、日本語にほかなりません。日本語力を磨けば思考はより深く精緻になりますので、英語の学習にも深みと広がりが生まれます。日本語による理解力と分析力が伸びざかりの中高生の皆さまは尚更でしょう。くわえて、英語を使って発信するメッセージの中身は、やはり日本語で思考して得た知識や教養が素になっているはずです。日本語力は英語の学習のみならず、英語の運用においても決定的となるのです。

 他方で、語学は「実技」でもありますので、音楽やスポーツと似ていて、基本となる「型」を初めに身につけるのが肝心です。そのためには、あらゆる技芸と同じく「模倣と反復」という練習が、地道ながらも欠かせません。正しい手本を繰り返し練習して「基本の型」を身体化=無意識化する、そうすることで初めて型から自由になれる、つまり英語力を自ら伸ばし使えるようになってまいります。日本語とはまったく異質な外国語を、しかも日々日本語に囲まれた環境のなかで身につけてゆこうとするのですから、「習うより慣れよ」にもまして「慣れるまで習う」という姿勢が大切です。

 私どもの英語学習の心構えはこのように、いたってオーソドックスで新奇さとは無縁です。それでも卒業生の皆さまは代々、当塾で築かれた語学力を発揮され、社会のさまざまな分野で活躍しておられます。いま中高生でおられる皆さまには、何よりもご自身の今の好奇心を大切にし、それを導きの糸として、かけがえのない十代を過ごされますことを希望します。そのうえでもし、英語を本気で学びたいと思われたときにはいつでも、平岡塾のドアを叩いてみてください。私どもは全力でサポートいたします。

平岡塾塾長 大町 慎浩