自ら触れて自ら気づく - 宿題の意義と効用

勉強とは「教えてもらう」という受動的なものではなく、「学びとる」という能動的なプロセスです。特に語学は「実技」の要素がきわめて大きく、ただ授業を聴いているだけでは決して上達いたしません。そこで当塾では、生徒さんご自身に「たくさんの英語に触れ自ら気づき自ら考える」機会を提供したく、毎授業、文法・読解・作文の宿題をお出ししております。

英語は努力を裏切りません。「授業で学び、宿題を通じて考え、次の授業でその成果を発表する」という過程を反復・継続することで、英語力は着実に向上するのみならず、自己管理の大切さや「気づき・学び」そのものの喜びを知り、それがある種の成功体験つまりは内的な動機づけとなって、他科目の学習や社会生活全般においても好ましい効果が出てまいります。

互いに刺激し互いに学ぶ - 「場の力」を生みだす授業スタイル

器楽やスポーツの世界では、他者の実演・実践を観察することで多くのことを学び取ることができます。同じく「実技」である語学でも、他者のスピーキングや作文、和訳を見聞きすることで、「自分に足りない部分に気づき課題を発見する」ことができます。

当塾の授業スタイルは寺子屋 (座卓) 式で、子供たちは互いに向き合い、膝を寄せ合って座っておりますので、周囲の子供たちの様子は手に取るようにわかります。そのような場のなかで、ある時期に飛躍的に上達して周りを驚かせる生徒さんが少なからず出てまいります。

私たちの長い現場経験から判断しますに、それは真面目に授業に出席して地道に宿題をこなしていたからだけではありません。毎週毎週の授業のなかで様々な生徒さんの「実演」すなわち「聞く/読む/話す/書く」を目の当たりにすることで、「自分に足りない部分に気づき課題を発見している」ためです。

ネイティブ講師と一見スムーズに会話していても文法はかなり破格な帰国子女の方もいらっしゃれば、逆にスピーキングやリスニングはまだ不慣れでも、和訳や英作では講師を唸らせる立派な文章を発表する生徒さんもいらっしゃいます。つまり、それぞれに得手不得手のある多様な他者の存在が、学習者にとっていわば「成長への化学変化を引き起こす触媒」となっているのです。

幼児は同年代の子供の振る舞いに強い関心を示しますが、それは中高生になっても変わりません。学習意欲の高い生徒に囲まれていれば自ずと影響を受けてまいります。ノートの取り方ひとつとっても然りです。当塾は英語を教える場ですが、子供たち自身が互いを見聞きし、そこから能動的に何かを学び取り、それを通じて自己を発見し、ひいては自律に目覚めるという、真の意味での「学びの場」が代々受け継がれてまいりました。